ITIL 4 Specialist Acquiring and Managing Cloud Services (AMCS)備忘録

二度目のチャレンジで、ようやく合格できた。

 

・この資格は何?

ITIL4の上位資格で、ITIL4の拡張分野向け補強フレームワークと知識体系を扱う。

www.axelos.com

 

peoplecert.jp

オンプレ環境からクラウド環境へ移行するのにあたり、どのような心構えで、どのような事前準備が必要で、どんな計画を立て、移行し、維持していくか、ITIL4に基づいて進めていく、という内容。

クラウド移行の必要性に直面した企業のIT担当者や、その上司、ビジネス側のキーメンバーとか、そういう人たちが揃って学ぶと役に立ちそう。特定のクラウド環境ベンダーに特化した技術的な話ではなく、汎用性の高い内容。

ITIL4 Digital and IT Strategy (DITS)がデジタル戦略と移行の話なので、その中のクラウドに特化している感じ。DITSを先に学習しておいてよかったと思う。

資格試験を受ける前提は、専用研修を受けること。ITIL4 Foundationに合格していなくても構わない。

 

kacky1225.hatenadiary.org

 

・試験を申し込むまで

ITIL4 Digital and IT Strategy (DITS)に合格した後、次に何を勉強しようかと思い、ITIL4資格ロードマップを見た2022年8月時点では、まだITIL4 Practicesの個別の試験はまだリリースされていなかった。

当時、このAMCSと、Sustainability in Digital and ITしかなかったので、より仕事に身近なテーマである、クラウドの方にしてみた。

しかし、資格試験も研修も、日本で提供しているベンダーがまだなかった。

夜中や早朝に、英語のオンラインクラスルーム研修に耐えられる自信が無かったので、バウチャー付きe-learning研修を選んだ。

無料お試しなどで各ベンダーを慎重に比較し、このコア書籍の著者による講義ビデオを視聴する形式だと思った、イギリスの研修会社のコースにした。

「だと思った」、というのは、著者の講義ビデオは実際は冒頭の数章だけで、残念ながら、残りの章は自動音声の読み上げるスライドをひたすら眺めるという退屈なものだった。無料で確認できる章では分からず、かなりがっかりした。

ただ、試験バウチャーに数パーセント上乗せされただけの価格だったので、仕方がないのかもしれない。

DITSと同様、模擬試験は2セット配布された。あと、このベンダー独自と思われる、試験対策まとめシート、用語集、講義ビデオの図表一覧とスクリプトもダウンロードできた。

コア書籍は、英語版の電子書籍が配布され、ブラウザか、特定のアプリで開く。ダウンロードすれば、オフラインでも使用可能。マーカーを引いたり、メモを書き込みすると同期される。

e-learningでは内容がさっぱり頭に入らず、とにかく受講を終わらせて、模擬試験をやってみた。40問中26問で合格のところ、22点とか23点とか微妙な点数。あと数点足りないというのは、その数点の差を埋めるまで苦労するであろう、厄介な予感しかなかった。

iPadで模擬試験のPDFを開き、一緒に電子書籍も開いて、行ったり来たり復習してみたり、別のファイルに書籍と模擬試験の解答をコピペしてまとめたり、地道にやるしかなかった。英語なので、意味が分からないときは単語の日本語訳も書き込んだ。

この頃、日常の生活で苦労が多く、勉強の間隔が開きがちになり、先延ばしにしているうちに、バウチャーの期限目前となってしまった。試験内容は、なんとなく頭に入っているというような状況だった。

 

・試験の申し込み(1回目)

試験は、DITSと同様、オンラインプロクター。peoplecertのサイトから日程選択して申込み。

あまりにも自信がなく、今回は、Take2オプションを購入した。試験を受ける前に追加で支払うと、通常再受験料金より格安で再受験できる(2024年2月当時、約8万円強の通常料金が、約1万円強になった。)

 

・試験当日(1回目)

試験のための部屋の準備など、注意点はDITSの時と同じ。ノンネイティブなので紙の英和辞書持ち込み可も同様。

何問か、模擬試験と同じ問題があったものの、迷う問題が多く、必死で時間いっぱい使って解答した。

しかし、試験終了と同時にあっさり画面にFailedと表示され、不合格。あと3点足りず。

 

・試験2回目

Take2オプションの場合、2回目は「最初の受験日の半年後の月末まで」に受験しないといけない。1回目の試験の記憶が残っているうちにと、もう一度勉強し始めたものの、どうにも進まない。

また、ちょうどiPadを落として壊してしまい、いちいちパソコンを開かないと勉強できなくなった。

6か月なんてあっという間。

ようやく我に返って、2回目締め切り1か月前に、慌てて再試験をスケジュール。

3回目を受ける受験料を払うくらいならと、新しいiPadを購入し(単純に欲しかったのもあるけど)、iPadによる勉強法なども参照した。

模擬試験を何度も解いた方がいいだろうと思ったので、iPadでPDFのスクショを撮り、iOS標準のメモ帳に読み込んで、繰り返し解いた。紙だと消しゴムで消したり、新しい紙に印刷する必要があるが、これはなかなか便利だった。

解説の書き込み等もiPad上でやってみたが、少々慣れが必要だと感じ、紙に印刷した。答え、解説、コア書籍の説明文および分からない英単語の意味も全部、一緒に書き込んだ。間違えた問題は、間違っている選択肢がなぜ間違っているかどうかという点も含めて書き込んでおいた。結果的に、スキマ時間でもさっと復習ができる参考書になり、便利だった。

そして、模擬試験であれば、ほぼ間違えない状態になった。

2回目は本当にギリギリのスケジュールで予約したため、平日の夜9時開始の約2時間の試験で、試験官とのやり取りは英語。いつも以上に頭が回らないし、簡単な単語の意味も分からなくなり、英和辞典とにらめっこ状態。

本当に疲れ果てたが、8割5分以上の点を取ることができ、無事合格。

 

・試験後

数日で認定証のPDFをもらった。せっかくなので、今回も紙の認定証を注文。1年前より少し値段が上がったのは、多分円安のせい。2週間ほどで届いた。

 

・終わりに

これがなければできない仕事がある資格試験ではないが、英語で勉強、英語で受験、であっても、地道にがんばればなんとかなる、という学びになった。

合格者番号から察するに、2024年3月現在、世界で520人くらいしか持っていないらしい。